
あのー先生、キオクシアの株価ってなんでこんな上がってるんですか?名前すら聞いたことなかったんで、正直びっくりしているんですが。

結論から言うと、
「AIブームの主役がGPUだけでなく、SSD・NANDにも広がった」
と市場が考え始めたからです。
以前はAI関連といえば、ほぼ NVIDIA のGPUばかりが注目されていました。
ところが最近は、
- AIモデルが巨大化
- データセンターが爆増
- 保存するデータ量も爆増
となり、GPUだけではなく「記憶装置」の重要性が急上昇しています。キオクシアが作っているNANDフラッシュやSSDは、そのど真ん中にあります。
なぜ急にキオクシアの評価が変わったのか

GPUだけでなくNANDフラッシュやSSDですね。これも重要になったと。ほんと、驚くほど急に評価があがりましたよね?

市場は以前、AI = GPUと考えていました。
今は、AI = GPU + HBM + SSD
という見方に変わっています。
特にAIデータセンターでは、GPUが処理するデータ量が急増し、SSD需要が想定以上に伸びるとの見方が強まっています。キオクシア自身も投資家向け説明会で「AI推論時代ではフラッシュメモリが重要になる」と強くアピールしました。
キオクシアは業績が本当に良い

さらに、これは単なる夢物語ではなく、
- 売上拡大
- 利益急増
- 今後の利益予想も市場予想を大幅超過
という実績が出ています。
4〜6月期の利益予想が市場予想を大きく上回ったことが株価上昇の大きなきっかけになりました。
株価が何倍にもなっているのに、利益も急増しているため、「思ったほど割高じゃない」という見方も出ています。

投資家は割安感、割高感を気にすると聞いたことがあります。

おお!勉強できていますね。これを判断するための代表的な指標として、PER(株価収益率) と PBR(株価純資産倍率) があります。まあ、難しいことはいったん置いておきます。
さらに市場が期待していること
キオクシアはAI向け超高速SSDの開発でも注目されています。
市場は単なるメモリメーカーではなく、
「AIインフラ企業」
として評価し始めています。

ええーー、まだ期待することがあるなんて、じゃあもう買いの一択じゃないですか!!

ただ、冷静に見る投資家も多いですよ。

え、なんでですか?
冷静に見る必要→市場はそれも織り込み済みか!?

今のキオクシアはかなり先の未来まで期待が織り込まれています。

なるほど。市場は先の先まで予測して動いているんでしたね。初心者の耳に入ってくる時点で、その情報は…。

そうですね。キオクシアの株価が上がっている理由は、
- 現在の業績が良い → 30%
- AI向けSSD需要拡大 → 30%
- 将来の成長期待 → 40%
くらいのイメージです。
だから今後は、
- AIデータセンター投資が本当に続くか
- NAND価格が高水準を維持できるか
- キオクシアが期待通りの利益を出せるか
が重要になります。

個人的には、「AI関連だから上がっている」というより、
「AI向けSSDが想像以上に重要だと市場が気付いた」
というのが、ここ半年のキオクシア急騰の本質に近いと思います。
キオクシアの株価が暴落する可能性はある?

なるほど。ちなみに、市場がすでに織り込み済みで、かつ業績も優秀な企業なら、さすがに半年前ぐらいの株価まで暴落なんてことはなさそうですか?

可能性はあります。
しかも「あり得るか?」ではなく、
半年前の株価に戻るシナリオは十分あり得ます。
ただし、その確率が高いか低いかは別問題です。

えーーなんでですか!?

キオクシアは現在、
- AI需要拡大
- NAND価格上昇
- 2027年まで供給不足
- AI向けSSD需要爆発
という前提で評価されています。会社側も2027~2028年に向けた長期契約交渉を進めており、市場も強気です。
しかし半導体、とくにメモリ業界は歴史的に
「不足→増産→過剰供給→暴落」
を何度も繰り返しています。

不足して、高くなって、作って、余って、安くなってをグルグルと?なるほど。
半年前の株価に戻るケース
例えば、
ケース① AI投資ブームが鈍化

市場は「AI向けデータセンター投資が何年も続く」と見ています。
ですから、もし
- AIサービスの収益化が進まない
- データセンター投資が減速
- GPU購入ペースが落ちる
となれば、真っ先に見直されるのがキオクシアでしょう。
市場は6か月〜1年先を見て動くので、業績悪化の前に株価が下がります。
ケース② NAND価格が下落

現在の利益はNAND価格高騰の恩恵がかなり大きいです。
もし
- Samsung
- SK hynix
- Micron
などが増産し始めると、
NAND価格は急落する可能性があります。
メモリメーカーは利益が数年で10倍にも1/10にもなる業界です。

なるほど。需要があると分かっている製品の製造で、ライバル会社が黙っているわけがないと。
ケース③ AIバブル崩壊
これは最も怖いパターン。

キオクシアは今、「業績が良い会社」であると同時に「AI夢銘柄」でもあります。
時価総額は短期間で数倍に膨らみ、日本最大企業クラスまで来ています。期待が剥がれると、業績が悪くなくても-30%-50%-60%くらいは珍しくありません。

ひゃー
逆にキオクシアの株価が下落しにくい理由

一方で、2025年のAI関連銘柄とは違い、
今のキオクシアは実際に利益が爆発しています。
- 売上過去最高
- 営業利益過去最高
- 次四半期予想も市場予想超え
という状態です。
だから、「業績が良いのに期待だけで上がっている銘柄」ではない。ここが重要です。

なるほど!業界や時代がたまたま良かったからなんか意味がわからないけど株価が上がってウハウハではない会社だから、安心材料もあるということですね。

私なら、半年前の株価まで戻る可能性はあるが、その場合は単なる調整ではなく、AI投資減速やNAND市況悪化など、かなり大きな前提崩れが起きているケースだと思います。

うーん、市場の動きは結局初心者にはわからないですね。

逆に言うと、今の株価は「AI需要が数年続く」という前提にかなり依存しているので、住宅ローンでいうなら変動金利がずっと低い前提で家計を組んでいるような状態です。その前提が崩れると、株価の下落幅は想像以上に大きくなる可能性があります。

なるほど。キオクシアの事、よくわかりました。ありがとうございます。
