
FIREくん
「先生!ゴールドって『有事の金』じゃないんですか?ホルムズ海峡の緊張が高まった時も下がって、今もまた大きく下がっています…。なんでですか?」

いい質問だね。
実は、多くの初心者がここで勘違いしやすいんだ。
「世界が不安=金は必ず上がる」ではないんだよ。
今回はニュースを見ながら、一緒に整理してみよう。
2026年、ゴールドは過去最高値から30%大幅下落
金価格は2026年1月に過去最高値を更新したあと、
約30%も下落している。
さらに
- 四半期では約13年ぶりの大幅下落
- 銀も約20%下落
- ビットコインも6万ドルを割り込む
と、安全資産もリスク資産も一緒に売られている状況なんだ。

でも先生、
ホルムズ海峡で戦闘が始まった時も、
「有事だから金が上がる」
ってニュースで言われてたよ?

その考え方自体は間違っていないよ。
ただ、
「何が市場で一番重要視されているか」
で金価格は変わるんだ。
今回は市場が見ているのは、戦争よりも金利
金は利息を生まない
ここが一番重要。
例えば100万円あったとして
A:金を買う
B:国債を買う
なら、
国債は利息がもらえる。
金は何も生まない。
有事の金より、高い金利のある国債

だから、
金利が5%になるなら
みんな
「金より国債の方がいいじゃん」
となる。
これが今起きていること。

なるほど…。
じゃあこの有事より金利が勝っちゃってるんだ。

そう。
今マーケットが一番気にしているのは
「FRBが利下げしないかもしれない」
ということなんだ。
② ドル高も金には逆風

金は世界中で
ドル建て
で売買されている。
例えば
1オンス4000ドル。
ドルが強くなると、
日本やヨーロッパの人から見ると
「ゴールド、いまは高いな…」
となる。
つまり
ゴールドを買う人が減る。
だから価格が下がりやすい。

円安の逆バージョンみたいな感じ?

そのイメージでOK!
ドル高=金にはマイナス
なんだ。
③ AIブームも影響している
ニュースにもあったけど、
今は
- AI
- 半導体
- データセンター
この辺にお金が集中している。
投資家は「金」を売って「AI株」を買う。
こういう資金移動も起きている。

確かに最近AI関連ばかりニュースになってる…。

そう。
市場のお金は限られているから、
どこかを買うには
どこかを売る必要がある。
④ ビットコインまで下落
今回面白いのは
ビットコインも売られていること。
昔は「デジタルゴールド」
なんて呼ばれていたけど、
今は「金」も「ビットコイン」も両方売られている。

理由は同じ。金融引き締め。
市場に出回るお金が減ると、
リスク資産から売られやすくなる。
有事の金だが、市場はさまざまな状況(優先順位)を加味する

じゃあ
「有事だから金」
じゃなくて
「金利が高いから売られる」
の方が今は強いってこと?

その通り。
市場には
優先順位がある。
今回は
①金利
②ドル高
③景気
④AI投資
この方が、地政学リスクより影響が大きかった。

じゃあ、
ホルムズ海峡のニュースで少し上がったのに、
その後また下がった理由は?

それも自然な動きなんだ。
戦争が起きると
最初は
「逃げろ!」
で金が買われる。
でも、数日たつと市場は
「結局FRBは利下げしないよね。」
「ドル強いよね。」
と、現実に戻る。
だから
戦争による上昇より金利による下落の方が強くなった。

なるほど…。
じゃあ金って安全資産だけど、
絶対に上がるわけじゃないんだね。

その理解が大切だよ。
投資の世界では、
「安全資産」と「値上がりする資産」は同じ意味ではない。
金は長期的にはインフレや通貨価値の低下に備える役割が期待される一方で、
- 金利が高い
- ドルが強い
- 株式市場に資金が集まる
といった局面では、大きく下落することもある。
だからこそ、金だけに資産を集中させるのではなく、株式や債券なども含めて分散投資することが重要なんだ。
まとめ

今回のニュースで学んでほしいのは、
市場は一つの材料だけでは動かない
ということ。
「戦争だから金が上がる」と単純に考えるのではなく、
- 金利はどうか?
- ドルは強いか?
- 投資家は何を買っているか?
といった複数の要因を組み合わせて見る習慣をつけると、ニュースの見え方が大きく変わってくるよ。
これが、長期投資家にとって非常に大切な視点なんだ。
