前回は、退職・転職をする前に、これだけはおさえておきたいことを紹介しました。
今回はいよいよ、制度をフル活用して、転職先が決まるまでのお金をしっかり受け取る方法を紹介します。
金額にして数百万円になります。無知だったでは済まされないのでもれなく手続きをしましょう。
会社を辞める前にやるべきこと
まずは、会社を辞める前にやるべき内容を軽くまとめます。
- 会社を辞めたい理由はなにか?冷静になる
- その悩みは次の会社で本当に改善するのか?
- 辞めるタイミングは今でいいのか?少し待てば数十万円の差
- 次の仕事は早く探しておく。早いほど良い
- 会社を辞める理由は会社都合にすべし(退職後の修正も可能な場合あり)
となります。
退職時に受け取れる手当などを学ぶ
では、退職のタイミングでどのくらいのお金がもらえるか。どんな種類があるのかを紹介します。
私の場合の具体例でいうと、
- 有給休暇:50〜60万円
- 賞与:数十万円〜
- 退職金:数十万円〜
- 国民年金保険料:10万円
- 失業給付金(もしくは再就職手当):130万円
約300万円ほどです。これでも嬉しい限りですが、実は退職のタイミングをもう少しずらしていれば、さらに数十万円乗せることができました。(前回紹介済)
これらの受け取り方やポイント、退職後の動きを紹介していきます。
退職後の手続き・流れ
有給消化
退職したら、しばらくは有給消化の日々です。最大で40日間です。
この間に、一度心も身体もリフレッシュをしましょう。今のあなたの心身の状態は、あらゆる意味での休息をほしがっているはずです。思い切りリフレッシュし、次の仕事に今の負のオーラを引きずらないようにしましょう。もちろんもし不安ならば、早急に就職活動に勤しむのもありですが、時には休暇も必要です。
離職票が届いたらハローワークへ
退職日を過ぎると勤めていた会社から、「退職証明書」「離職票」が送られていきます。いよいよ色々な手続きの開始です。
まずはハローワークに行きましょう。すぐに就職する人も、まだ就職が決まっていない人も。
とにかく面倒くさがりは絶対に損します。詳しくは後述しますが、すぐに就職できれば「再就職手当」が、転職活動が長引いいたとしても「失業手当」が貰えます。半ば強制的に雇用保険に加入し、毎月お金払っていたんですから、権利としていただきましょう。
行く前には必ず一本ハローワークに電話をして、持ち物を確認。
退職証明ないとダメとか、離職票がどうとか、無計画で出動してもとんぼ返りです。
言われた通りの日に、言われた場所へ、言われたものを持参すればOKです。この辺りはさすがお役所、流れ作業で進みます。こうして「失業給付金」をいただく最初の手続きを終わらせます。
失業給付金(失業手当)とは?
それではここで、失業給付金について知っておきましょう。
失業給付金とは、失業した後ハローワーク(職業安定所)に行くと申請でき、直近半年の給料を計算して日当を割り出し、その50〜80%の金額を、決められた日数分、就職する日まで国から毎月もらえる手当です。
失業給付金の受給額は?
人によって失業給付金の額は違い、計算式も存在しますが、これは自動で計算されますので計算式など覚えても意味はありません。目安、今の給料50〜80%と思ってください。
目安として、私の場合は毎月が40〜50万ほどの給料でしたが、計算式に当てはめると
7075円/日で、180日分(約130万円)でした。
年齢により上限が決められていて、私の金額はこの年齢では上限だったそうです。
失業給付金受給の条件は?
という2点ですから、退職したばかりの方はほとんどの方に権利があります。雇用保険とは、社員ならほぼ間違いなく加入しています。給与明細にもちゃんと記載があります。ちゃっかり差し引かれています。
あなたはこのような時のために雇用保険料を支払っていたのですから、受給する権利があります。必ず失業給付金を申請し受給ましょう。ただし不正受給はダメです。ルールを守り、就職活動に励みましょう。
これがあるおかげで、私も集中して就職活動に励むことが出来ました。
退職理由によって受給日数が変わる
私は退職理由を「自己都合」で退職したので、ハローワークに行った時点で確定した受給日数は90日でした。
しかし、ハローワークの窓口で勤めていた会社の労働環境について話しました。
急に休みがなくなったり、深夜に電話がきたり、意味不明なの叱責があったり…と。
するとその職員の方が、
そのパワハラの事実を証明できる方は、会社に2名以上いますか?
と聞いてきたので、いますと答えました。
では、特に書式はありませんので、どのようなことがあったのかと、名前と印鑑をその方たちに貰ってきてください。その書面が有効になれば、「会社都合」に申請し直します。
と、おっしゃっていただき、私はすぐに当時の同僚二人にお願いをしました。
実際にパワハラが満営している会社でしたので、パワハラを受けていたのは私どころか他に数十名もいましたので、集めるのは簡単でした。
そして、すぐに「会社都合」に申請し直していただくことが出来ました。
これにより、本来90日だった受給日数が、180日に増えたのです。私の場合、1日あたり7075円ですから、そのありがたさはご理解いただけると思います。
これにより、もしも次の就職までに時間が掛かったとしても180日間は手当を頂きながら就職活動に集中できるのです。
失業給付金についてはおわかりいただけたでしょうか?では、この失業給付金をどうやって受け取るのかを知っていきましょう。
失業給付金の受給方法
前述の通り、一度「離職票」などを持ってハローワークに行き、基本の手続きを済ませたら、あとは簡単です。
「月最低2回の求職活動」をして、認定日という指定された日の指定された時間にハローワークに必要書類を持って行けば、その月の分の「受給認定」をしてくれます。
受給認定とは?
チェックといっても「頑張ってます!」なんて言葉や気合いではありません。
「具体的にどこに面接に行った」「就職活動のセミナーを受講した」という記録を提出するだけです。窓口で「調子はどうですか?」なんて会話を職員さんとしながら、今後の求職活動の目処を立てていきます。
晴れて認定されれば(求職活動回数が足りていればほぼ認定されます)、一週間程度で失業給付金が口座に振り込まれます。
求職活動とは?
では、受給認定に必要な「求職活動」とはいったいどのようなものなのでしょうか?
一言で言えば、就職につながる為の具体的な活動のことです。以下に例を挙げます。
- ハローワークの窓口で仕事を探す(PC検索するだけはNG)
- 職業相談をする
- 面接をする
- 企業説明会に参加(ハローワーク指定の)
- 活動支援セミナー受講←私は職業訓練(後述)が決まってからはこれをよく利用しました
などなど、様々あります。
要は普通に就職活動していれば月に2回なんて余裕なんです。ただ中には就職する気もないのに、失業手当欲しさにわざとギリギリまで就職しない人もいるので、月に二回は絶対になんかしないとダメだよって決まっているんですね。
また、上記のような発想をお持ちの方はおそらくは「再就職手当」の存在を知らない可能性もあります。
つまり、「就職したら失業給付金(失業手当)はストップなのだから、ギリギリまで受給してから就職したほうが得なのでは?」という発想は間違いという事です。
早く就職してもしっかり手当はもらえます。それが「再就職手当」というシステムです。
再就職手当とは?
これは失業手当の受給日数が残っている状態で就職が決まった方に、受給の残日数分を手当として貰えるというものです(手当受給には条件あり)。だから早く再就職して損はありません。
つまりすぐに就職する予定の方でも受給日数は長い方がいい。「自己都合」と「会社都合」の退職理由は、しっかり主張しましょう。理由一つで退職金も手当も、金額の差がとても大きいです。
保険料、年金の減額や免除・切り替え手続き
退職したあなたは給料がありません。
失業保険こそいただけますが金額は今までの給料よりも低いです。生活が圧迫され、年金や保険料を払う事が困難かもしれません。
そんな方のために、国は年金や、国民年金保険料の免除、あるいは減額の手続きをしてくれます。もちろん世帯年収などの条件はありますが、一度相談をしてみたほうが良いかもしれません。
会社に勤めていればおそらくは「社会保険」に入っている状態だと思いますが、退職後は「国民保険」に切り替えの手続きをしなくてはなりません。年金に関しても、「厚生年金」から「国民年金」に変わります。
国民年金保険料の手続き
ご存知の通り、お国はこちらから申請しないとなにも提案してくれません。
急な退職で生活が苦しいのに、保険料は今までの年収で計算されるなんて厳しいですよね?しっかり年収を計算してもらい、保険料を正規の金額に修正してもらいましょう。私はこの手続きをしたおかげで10万円以上減額になりました。
年金の減額・免除
また、年金に関しては、世帯年収に応じてその期間分だけ減額、免除をしてもらえる場合があります。その場合でも将来もらえる年金の金額に差は出ません。念のため申請してみましょう。
私は、妻の稼ぎが一定額を超えていたので、審査は通りませんでした。
退職後、転職までの手続きで損をしない方法まとめ
いかがだったでしょうか。今、退職を考え悩み、苦しむあなたの力に、少しでもなれたなら幸いです。
もしも私が始めから退職・転職の手続きの勉強を無知のまま進めていたら、
- 有給休暇:50〜60万円
- 賞与:数十万円
- 退職金:数十万円〜
- 国民年金保険料:10万円
- 失業給付金:130万円
を失っていたのかと思うと、今でもぞっとします。
まだある!退職後の補償制度
そして、実はまだこれだけじゃないんです。私はさらに失業後の補償について勉強をしました。すると公共職業訓練というものを発見。
公共職業訓練とは、就職に向けて自分にスキルをつける学校の事です。
え〜、学校かぁ〜
となってはもったいない。じつは人気で、多くの学校で定員上限になるほどの人気。私も行きましたが、若い子から40代50代で男女問わず参加していました。ここで新しいスキルを身につけ、新たな業界へ転職をしていくのも1つの手です。
しかもさらにメリットがあります↓
つまりタダで学校に行けるだけじゃなく、失業給付金のもらえる日数も延長になるというすごいメリットつき。資格もないから次の仕事も給料安いしなんて嘆いているあなたはぜひ自分を変えるキャリアアップに活用しましょう。
私の場合、4ヶ月の学校に通いましたので
7075円×120日
卒業後1ヶ月受給資格延長
7075円×30日
で、合わせて、1,061,250円を追加で受け取りました。
この公共職業訓練については次の記事で、実際に私の体験レポートを交えながら、合格のテクニックや、学校の雰囲気、他の受講生の年齢や性別、学校の雰囲気や授業難易度まで具体的に紹介していきます。